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「ねえ、これ見て!」
夏休みが始まってすぐのある朝
乃愛は部屋に入るなり
コンロの前に立っていたユウギの肩越しに
スマホを突き出した。
「ほら!」
「…ユラユラ…真夏のスノードーム…
クラゲのグラスタワー
クリオネのシャンデリア…
なにこれ?」
焦点が近すぎて
寄り目になったユウギは
フライパンを煽りながら呟く。
「今、江ノ島水族館っでやってるイベント!」
「水族館?」
「クリオネが居るんだよ」
「で?」
「だからあ!
クリオネが居るってことは
餌のミジンウキマイマイも
居るってことでしょ?
もらいに行こうよ!」
マスクの上の乃愛の目はキラキラ輝いている。
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