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男と女は違う世界を生きている生命体なのだろうか
昨日の夜はお母さんに、携帯を預け、高妻さんとLINEでのやりとりをするようにお願いした。お母さんは驚いていたけど、承諾してくれた。
普通は、携帯を勝手に操作したことを怒るべきなのだろうが、高妻さんと会話できたという事実が怒りを沈めてくれた。
今日は、いつも通りの時間の起きて、朝食を取るためにリビングにおりた。
「おはよう。貴史。はい、これ携帯。昨日の夜は高妻さん忙しかったみたいで、あまりLINEでの会話はしてないよ。」
「あーわかった。ありがとう。」
LINEでのやり取りをみる事にした。
会話を見ると、驚きすぎて、心臓が前だけでなく、上に、左右にも飛び出しそうになる。
「うわ。まじか。」
「ふん。頑張ってね。」
お母さんは右手をいいねのポーズにしてこちらを笑顔で見てくる。それは頑張れという意味だろうか。
「おはよう。田ノ上君。」
「おはよう。高妻さん。」
いつも通り朝の挨拶をする。昨日はそこから会話が続いたけど、今日は何も出てこない。それはそうだ、映画を見に行く約束をお母さんが取り付けていたからだ。お母さんと言い方は僕がおこがましく感じた。神と呼ぼう。
「ねっ。いつ見に行く?」
高妻さんはいつものトーンで話しかけてくれた。
「あっ、そうだね再来週の土曜日の午後とかは?」
「いいよ。私、空いてるし。」
「そこにしよう。」
うおー!まじか、これは嬉しいぞ。
嬉しすぎて、今日の授業はすべて頭に入ってこず、部活中はずっとニヤニヤしすぎてマネージャーに引かれていた。
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