冷徹な君と

プロローグ A

夏の終わり、すべてが蒼く染まる季節に、僕は転校生の彼女に出会った。

彼女の名前は葵（あおい）。冷静で、感情を顔に出さない。その美しい顔立ちと整った姿勢は、どこか遠くから眺めるような魅力があった。

「転校生、葵さんだよ。」

担任の先生が紹介するのと同時に、葵は一瞥をくれると、無言で席に座った。その目の中には、誰にも見せない冷たい光があった。

でも、僕は気づいた。彼女の冷徹さには、何か理由があることに....。