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ふたり、ひらり
「当麻って茅野さんが好きじゃなかったの?」
「え。なんで、アイツ?意味わかんねえ。ただの幼なじみだよ」
「そうなの?ほんと?あたしね、当麻のこと好きなんだ〜。付き合いたい!もう一回、確認だけど……好きじゃないんだよね?茅野さん」
夕方の空き教室。
扉の隙間が開いた向こう側。
鼓膜を震わせるのは聞き慣れた気怠げな声と、ゆらりと視界を揺らすのは、好きな人の姿。
扉の隙間が開いた向こう側でキスを交わす幼なじみと女の子。
ゆっくり近づく凹凸な影。
気づかれないように…。
そっと足音を立てず逃げた。
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