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おはよう、世界
ぱちぱち。きらきら。
瞳に映る世界が変わった記念日。
ふわふわ。ゆらゆら。
こころと足取りが軽い。
今朝、駅のホームで菜子ちゃんに「眼鏡外して大正解!」と、褒められて。家を出た瞬間、鉢合わせた当麻くんには「…はよ」と、一瞥されたんだっけ。
コンタクトをした私へ、ノーコメント。
今日も今日とて当麻くんは素っ気なかった。
幼なじみの当麻くんは、学校で三番目にモテる男の子だ。一番と二番は誰か知らない。
そんな当麻くんは日めくりカレンダーのように、彼女のサイクルが早い。
半月前はダークブラウンの似合う、ストレートヘアの美人な先輩。
今は——…
昨日、キスをしてた子と付き合ってるのかな。
幼なじみ歴・片想い歴5年。
私は当麻くんが好き——…だった。
『ただの幼なじみ』と、はっきり言葉にされた瞬間、全てが崩れて。
ぐしゃって潰れた恋心の行方に彷徨って。
『この恋は気づかれた瞬間、もう終わり』
心の中で数えきれないくらい言い聞かせていたのに、本日、自らの失態で初恋を終わらせてしまった。
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