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私は、カエルを指差し
ようやく言葉を絞り出す
「かっ、カエル、しゃ、しゃべっ…」
「そんなに驚くほどの事じゃないだろう?
いまどき」
いやっ!
『イマドキ』は関係ない!
おちっ、落ち着くのよ
何がどうであろうと、相手は小さなカエル
襲われても、命取られる事は無いわ!
たぶん
慌てふためく私の様子を見ていたカエルは
呆れたように
「ほんっと、慌て者だね、あの時だって…」
「えっ?…あっ、あの時って、
会ってる…ないよね?」
もはや日本語の呂律もうまく回らない私に
「いや、いい
それよりも、早く汲みなよ、御神水だろ」
ハッ!
そうだった
それが目的
どうにか立ち上がると
カエルを横目に恐る恐る水を汲む
「…植木に掛けてやると良いよ」
その言葉の後、カエルはひとっ飛び
姿が見えなくなってしまった
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