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私たち家族が四人揃って食事をすることは、記憶にある限りこの3年間で1度もない。
外から見れば仲良し家族で、母はそれを常にSNSでアピールしていた。
でも、本当は冷め切った崩壊した家庭だ。
母は私から見ても承認欲求の塊で、見ていて痛々しい程の空っぽな女だ。
私はファッションデザイナーとしても成功してアパレルブランドを経営している柏原清太郎の娘だ。そして、母はインフルエンサーの柏原七海。母は短大卒業と共に、父と結婚した。母は二言目には父は働くような生意気な女と結婚したくなかったから専業主婦になったと言っている。
実際は、母は背が低く皆が憧れるようなモデルにはなれず、就職氷河期に面接に落ち続けるのに耐えられなかっただけだと思う。
周りから嘲笑されるそのような厳しい言い訳を堂々と言える母は異質で虚しい存在だ。実際、母は父にとって顔だけ良い扱い安い女だっただけだ。側から見れば父は結婚適齢期に自分を満足させる無駄な事を言わない頭の悪い女を買ったように見えている。私はそのような両親を軽蔑していた。私は振れば「カラカラ」と音が鳴るような空っぽな母親とは違うと思っていた。
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