「流れゆく道」

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「流れゆく道」

交際から、3年後私達は結婚をした。 私の実家が、群馬で夫の実家が青森だったため両家嫁ぎ先についていざこざもあった。特に、夫の弟の雅史(まさし)の反対が酷く私を何かと毛嫌いし、私もそんな雅史が苦手であったが、夫が必死に私との結婚について説得をしようやく、ひと息つけるようになった。 その後、1人の子を授かり夫は娘に住んでいる土地の地名をもじり富和里(ふわり)と名付けた。 娘が、小学5年生頃になるまでは夫は一生懸命働いてくれていたと思うし私達の仲も良好であったと感じる。 だが、突然夫が会社を辞めたいと言い出したのはいつ頃だったのだろうか。夫が勤めている会社は製鉄関係のわりと大きな企業で給料もよく生活を十分に満たしてくれる稼ぎがとれる場所であったのに。 仕事を辞めたいだなんて…………。 急に、夫が言うものだから家庭のこと考慮し早まらない方が良いのではと諭したら、それが気に食わなかったらしく夜な夜な続いてしまう口論…。ともすれば酷い喧嘩をしてしまった。
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