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ー序章ー「海と僕」
真っ青で、まっさらな海に僕は今まで、何を見いだしてきたのだろう。
あの日から、僕には海が目に焼き付いていつまでも消えない。
高校2年生。入った部活は何気なしに美術部。僕は運動全般が苦手なため、絵を描くのが好きというより妥協案で入部したようなものだ。
「今回のテーマは、自分が魅力的に思えるものだ。好きな食べ物、音楽あるいは何でも良いぞ!君たちの表現は無限大だからね。」と美術部顧問の臼枝が言う。
地域の公民館に来月から、作品を出展するらしいが、僕はもう描くものは決まっている。
そう、海だ。僕は、あの日不思議な体験をした。まだ、誰にも言っていない………。
きっと…。
「ねぇねぇ、川瀬君!!
川瀬君は何を描くの?
私は、まだ決まってないんだよね~。」
僕が感慨にふけいっていると、中学から幼馴染みの
城本雪が話しかけてきた。
「僕は、海を描こうと思っているよ。」と答え本当の理由は言わずに適当に地元に海があるからただ、それだけと言いった。その後、彼女とは少しそこから他愛のない話をして終わりにした。
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