0人が本棚に入れています
本棚に追加
『音楽をかけながら勉強してたら、
うるさいって部屋に怒鳴り込んできた。
真面目に勉強してるのに文句を言われる筋合いはない。
ボリュームを下げなさいと言ってきた。
このくらいの音が集中しやすいのに。
このバカ娘って言われて、カッとなってチョコレートを投げつけた。
チョコは、お母さんの顔面に命中した、そのとき。
ちょこが開いてたノートから飛び出して走って、お母さんに飛びついた。
そのまま、お母さんごと吸い込んだ......。』
「うそ、だろ......」
チョコさえあれば何でも巻き込むのか?
『翌朝、お母さんがいないことを、お父さんが不思議がってた。
ちょこのことを言おうとして、やめた。
あたしが殺人犯にされてもイヤだ。』
『お父さんがついに警察に通報した。胸が痛い。
お母さんを食べてから大きくなっていたちょこは
日が経つにつれて元の小ささに戻っていった。』
『日記帳ごと、ちょこを捨ててしまおう。
電車でわざと落とせば、まったくの他人が拾うだろう。
これでアシはつかない。
学校の下校時間だと、知ってる連中ばかりになる。
明日は、自宅とは反対方向の電車に乗ってみよう。
M高校の路線なら、接点が無い。』
「それを拾ったのが、僕というわけか......」
全てが納得できた。
最初のコメントを投稿しよう!