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怒っているのだろうか。再び唇を犯される予感に、アルフォンスは身を引いた。
「ま、待て。俺は女じゃない……」
「そんなことは分かっています」
黒曜石の眼がギラと輝く。
黒の中に吸い込まれそうと戦慄した瞬間、アルフォンスの双眸が微かに震えた。
「待て。どこかであった……?」
だが、遠い記憶を辿る暇は用意されてなどいなかった。
「たとえ神に背いてでも、あなたにもう一度会いたかった。そうして、あなたを僕のものにしたかった」
唇を塞がれ、長い指で背をなぞられる。
留め具を外され、騒々しい金属音をたてながら絨毯に吸い込まれる胸当て。
布と布がこすれる音。
肌に触れる冷たい外気。
「やめ……」
金色の花がアルフォンスの手から零れ落ちた。
凌辱の夜が始まる。
その夜、アルフォンスは誰にも触れられたことのない身体の奥深くを蹂躙された。
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