保護猫と一緒に恋も育てました(*^^*)

4/5
前へ
/5ページ
次へ
 それから2週間後の日曜。  保護猫の譲渡会に私はジジとボランティアで参加していた。  私の足元で愛想を振りまいていたジジが突然、黒い影となって走り出しベージュのカシミアらしきコートの背中をバリババリと駆け上がった。  慌てて飛んで行くと  あの、懐かしい声が聞こえた。 「ジジ!! 相変らずのお転婆ぶりだね!」  追って来た私と目が合うと、彼は深く頭を下げた。 「あなたには長い間、本当にご迷惑をお掛けしました」 「あの土地の事、知っていたのですね?」 「すべては僕の父と当時の役人が暗躍した事が発端でした。あの土地は人が住んではいけない場所だから、区画の全てを僕は買い戻したのです」  あの土地が汚染土壌と知りつつも彼は足繫く通い、そこでできた野菜料理を余すことなく平らげた……いったいなぜ?
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加