4人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうしたの、そんな顔して?」
リベラは、私が視線を逸らす前に気づいたらしく、首を傾げながら微笑んだ。その顔は可愛らしく、どこか気まぐれで、でも何か別のことを考えているような気配がある。
「……いや、なんでもないよ。」
私はぎこちなく答えたけど、内心ではずっと気になっていた。あんな存在を一蹴する彼女の力。いったい、どこから来たんだろう?普通の人間じゃないことは明らかだ。
「そっか。変なことでも考えてるんじゃないの?」
リベラは、くすっと笑って私の肩を軽く叩いた。その手は思ったよりも暖かくて、少しだけ安心できる気がしたけど、やっぱり何かが引っかかる。
「リベラ…その、さっきのあれ、簡単に倒してたけど…あの力って…」
途中まで言いかけたけど、リベラはふわっとした笑顔で肩をすくめてみせる。
「ん〜、どうしてだと思う?」
まるでお伽噺でも語るかのように、彼女の声はふわりとした調子で続いた。
「まあ、知りたいなら気長に待っててよ」
その言葉に、なんだか少し胸が締めつけられるような気がした。どこか物悲しげな響きもあったけれど、リベラはその気配を見せない。けれど、もしもこの気まぐれな彼女が私のそばにいる理由がそれなら――
「じゃあ、これからもよろしくね?」
思いがけず口に出てしまった私の言葉にリベラはまた、いつもの笑みを浮かべた。
「ふふ、どうしようかな?」
夜の闇が静かに包み込む中で、私はリベラと共に帰路を進んでいった。
最初のコメントを投稿しよう!