かいぶつ

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「どうしたの、そんな顔して?」 リベラは、私が視線を逸らす前に気づいたらしく、首を傾げながら微笑んだ。その顔は可愛らしく、どこか気まぐれで、でも何か別のことを考えているような気配がある。 「……いや、なんでもないよ。」 私はぎこちなく答えたけど、内心ではずっと気になっていた。あんな存在を一蹴する彼女の力。いったい、どこから来たんだろう?普通の人間じゃないことは明らかだ。 「そっか。変なことでも考えてるんじゃないの?」 リベラは、くすっと笑って私の肩を軽く叩いた。その手は思ったよりも暖かくて、少しだけ安心できる気がしたけど、やっぱり何かが引っかかる。 「リベラ…その、さっきのあれ、簡単に倒してたけど…あの力って…」 途中まで言いかけたけど、リベラはふわっとした笑顔で肩をすくめてみせる。 「ん〜、どうしてだと思う?」 まるでお伽噺でも語るかのように、彼女の声はふわりとした調子で続いた。 「まあ、知りたいなら気長に待っててよ」 その言葉に、なんだか少し胸が締めつけられるような気がした。どこか物悲しげな響きもあったけれど、リベラはその気配を見せない。けれど、もしもこの気まぐれな彼女が私のそばにいる理由がそれなら―― 「じゃあ、これからもよろしくね?」 思いがけず口に出てしまった私の言葉にリベラはまた、いつもの笑みを浮かべた。 「ふふ、どうしようかな?」 夜の闇が静かに包み込む中で、私はリベラと共に帰路を進んでいった。
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