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プロローグ
「佐久間くん、今日の働きぶりも良かったよー。助かった」
「椎葉先輩のためならおれ手伝いますっ!…あと、給料入るし、うれしいばかりです」
𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒 佐久間 貴誇は、今日も小さな本屋のもとで給料を貰っていた。𓈒◌𓐍𓈒◌𓂃
「貴誇、迎えに来ちゃった」
「朱凪.........?!」
おれは梢 椎葉先輩の小さな本屋の元で、ひっそりと給料を貰っている。そして、いつものように17時に本屋の戸締りをしていた。
しかし、おれは一緒に暮らしている茜 朱凪にあっさり見つかってしまった。
「貴誇のことなら俺は全部知ってるんだから。早く、俺のとこに来てよ」
「朱凪……うーん、今は片付けあるから、待って!」
おれは、いつも朱凪の言葉に戸惑ってしまう。うれしいけど、どうしたらいいのか分からなくなってしまう時もある。
「いいよ。佐久間くん、後は僕が片付けとくから、彼氏くんと帰って」
「し、椎葉先輩!か……、か、彼氏って。朱凪は、おれと幼なじみなだけ……の、はず…」
椎葉先輩は、おれににこにこと優しい笑顔を向け、おれに告げてくる。朱凪が彼氏だなんて……。朱凪は、イケメンだけど。おれは男……だし。
━━━━━━━ギュギューッ
と朱凪が、おれに後ろから抱きついてくる。
「朱……なっ。い、痛い。強いすぎ」
「貴誇、かーえろっ!…あ、椎葉先輩ありがとうございます。ね、貴誇早くバイトのエプロン脱いで」
と朱凪は、おれに甘い声で囁いてくる。そして、あっという間にバイトのエプロンを脱がされてしまった。
「二人はお似合いだね」
「椎葉先輩…どういうっ。んっ…んん」
と椎葉先輩は、そう呟いていた。そして、朱凪は椎葉先輩にニコッと微笑んで、おれを独り占めするかのように温かい、甘い唇でおれの口は塞がれてしまった。
「しゅ……朱凪。や……めて」
「んー、やめたくない。…でも、貴誇がここは嫌なら、家に帰る。家に帰ったら、貴誇といっぱいしたい…。約束…しよ。貴誇」
朱凪は、耳元でそう甘く囁く。おれは、今日も朱凪にドキンッと心臓を跳ねされらるばかりだった。
- - - - - ꒰ ♡ ꒱ - - - - -
「ん……しゅ…な。どんだけキスするの。口も口周りもベトベト…」
「俺でよだれ垂らす貴誇、かわいいよ。もっとしたい」
朱凪は、容赦なくおれを襲ってくる。何度も何度も、おれは身体をビクビクさせてしまった。
朱凪の透き通る綺麗な肌と艶やかな唇が、おれをおかしくさせてくる。そして、おれは朱凪にされるがまま、朱凪を求め、ギュッと抱きつくばかりだった。
「貴誇、何で今日も椎葉先輩のとこで働いてたの。もう、しないでって俺言ったでしょ」
「朱凪……。お……れは」
朱凪は、脅かすかのようにフッと笑みをこぼし言う。
「…貴誇が、あんなやつに触られたくないんだよ。それに、貴誇は働かなくていいから。大学も行かなくていい。
ただずっと、俺のそばにいればいいんだよ」
朱凪は、どこか不気味におれを怯えさせる。おれは、モンスターを見たかのように泣きそうな顔を向けていた。
「貴誇は…俺のもの。…もう、他のやつになんかに貴誇を傷付けられたくない。貴誇のここ……」
朱凪は、傷であるおれの左胸を指さし告げる。
「……あいつに犯されて、後から俺が傷を奪ったの。覚えてない?」
すると、朱凪はそう呟き、八重歯を見せ、不敵に微笑む。
「忘れたなら、何度も俺が貴誇に叩き込むから。貴誇が俺のものだよってことを…ね」
━━━━━━━ぢゅーぢゅっ
と、朱凪の八重歯がおれの左胸の傷に歯で当てられ、朱凪のキスがおれを犯す。そして、一室の空間に二人のやらしい音が響いていく。
「ん……しゅ…な」
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