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現在、あたしは一人暮らしをしながら、小説の学部がある専門学校に通っている。将来の夢は小説家だ。
親と距離を置くことはできたが、トラウマを克服できたわけではないし、これまで受けてきた心理的虐待の悪影響に苦しめられることも多い。
一人暮らしを始めてから数週間が経った頃、母から1通の手紙が届いた。今までのことに対する謝罪と共に、「名前を書くと、産まれてきてくれた時のことを思い出した」「芯が強く、誰に何と言われてもブレないところは貴女の長所」「自分の路を歩んでほしい」という愛と応援の気持ちが綴られていた。
また、「家賃だけでも払わせてほしい」と言ってきたり、たまに家に帰った時は「余ってるから持って帰って」と手料理を持たせてくれる。正直、経済的にはかなり厳しい。新しく始めた飲食店のバイトは、8月に休職して9月に辞めた。今は在宅の仕事を細々と続けているが、とても1ヶ月の生活費には満たず、何とか自分に合った解決策を考えているところだ。
離婚も親子関係の歪みも、誰の所為にもできない。親には親の苦悩や葛藤があり、決してあたしたちを苦しめる為にここまで育ててきたわけではないのだろうと思うし、そう思いたい。
母は、きっと心根の優しい人だ。曲がりなりにも育ててくれた親を毒親呼ばわりするあたしの方が、毒子なのではないかと考えることもある。毒親呼ばわりするような毒子に、金銭的・経済的に頼る資格などないし、そもそも人(特に親)に頼ろうなどと少しでも考えてしまう自分を許せない。死ぬ気で働くという選択もできるのだ。
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