2.街の喫茶店の謎

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2.街の喫茶店の謎

 そこで、まずオレは何時に帰ったかなど色々なことをカズキに聞いた。何時に入店したか、何時に帰ったか、何か注文したか、違和感を感じることはなかったか、など様々だ。カズキは「4時頃に入店しコーヒーを注文し5時丁度に帰った。」と答えた。  カズキが第一に怪しんだのは、営業時間と常連客の居る時間の関係だという。営業時間は朝10時から夜の10時まで。しかし、常連客はみんなそろって夕方5時には帰ってしまうらしい。常連客のひとりから話を聞くと、「なぜかは分からないけどみんなそうしてるから…君たちもけだものに行ったら早く帰ることを忘れるなよ!」と焦った様子で話したらしい。  次の日、オレたちは街頭で掲示委員会の追加調査というウソの名目で、もう一人別の常連客に話を聞くことができた。「夕方5時ちょうどまでいたことがあったんだ。そのとき、店主がカウンターに居なくて、どこだろうと思って見渡したら、キッチンの方に獣の影が見えたんだ。」その話を聞いて、あの喫茶店には闇があるということに対する確信に近づけたような気がした。
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