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3.けだもの店主の言葉
その次の日、オレは事件前以降行っていなかった喫茶けだものへと向かった。コーヒーを飲めないオレはミルクココアを頼んだついでに、店主に話を持ちかけた。
セイラがここに来てから行方不明だということ、夕方5時以降に居ると危険だという噂が存在すること、キッチンの方で獣の影を目撃したという証言があること。すると、店主は不気味な笑みを浮かべながら明るく答えを返してくれた。
「夕方5時に来てご覧なさい、変わらずワタシが珈琲などを淹れてあなた方を今と同じように準備して待っているだけですから。」さらに、「獣の影はきっとペットか鳥が私の作る珈琲の匂いにつられて、店の周りを通っただけじゃないですかね。」そう言って話を反らそうとした。
挑発的とも捉えられる店主の一言にオレは冷静な気持ちを失った。「絶対何かあるはずだ。9時まで居座ってやる。」辞めとけと言われたものの、無事戻ってこれてる友達がいることを良いことに、捜査を実行に移した。
その頃、オレの知らない場所で異変が起き始めた。喫茶けだものから無事帰還できたカズキが、自傷行為を始め、けだものに行きたい衝動を抑えきれなくなっていく。そして、体の一部一部が時間が経つ度に獣のような姿に変わっていく。「これはなんだ?喫茶の店主の呪いか何かか?」
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