1妾の試験受けます

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1妾の試験受けます

 私は一度大きく息を吐くと勇気を出して侯爵家の門番に挨拶をした。  「ガストン侯爵様ネイト公爵令息様と面会のお約束をしているミーシャ・ベルランドと申します」  門番はそれを聞くとすぐに門を開け別の人間に知らせを頼む。  「これはベルランド子爵令嬢様、お話は伺っております。すぐにご案内します」  腰を90度の折り曲げそつのない挨拶。  さすがは侯爵家、使用人の態度にも隙がないわぁ。  私は緊張で息をしていなかったらしく、それを気づかれないようにゆっくりふぅぅと鼻から息を抜く。  なにせ私は一度結婚したが夫が亡くなり出戻った子爵令嬢。  普通ならこんな所に出入りする事も無理なところなのだが妾の募集を見てこれだと思ったのが運のつきだった。  支度金。毎月の給金も破格。それに子供が出来ればさらにお祝い金まで出る。  お金に困っている子爵家のミーシャに取ったら神様仏様だった。  私は案内されて侯爵邸の玄関に向かって歩く。  先に立って案内しているのは門番だったが、途中で執事らしき男性が出迎えに来た。  侯爵邸の庭はきれいに整備されとても美しい庭園で広かった。
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