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なにかが皮膚を突き破る感覚がして、目が覚める。微かな痛みと静かな鼓動。そして得体の知れない体の重み。
眉間に皺を寄せ、サイドテーブルを眺めればそこにある時計は午前2時を示していた。閉めたカーテンの隙間から月明かりが差し込んでいてる。その月明かりは私の寝るベッドを照らしていた。白色のシーツと私の肌が浮き彫りになる。
違和感を確認しようと自らの体にかかっているシーツを剥ぎ取り、着ているパジャマをぺろんと捲り上げる。臍の少しだけ上の場所にちろり、と芽を出した小さな葉っぱが生えている。まるで赤子の小さな手のように、ふたつの葉と一本の茎が皮膚を貫きこちらを覗いていた。
「……早いな」
聞いていた話よりは格段に早い、自らの身体の変化に首を傾げる。だが、たしかにそこには小さな命が存在していた。私が体を動かすたびにぴよこぴよこと跳ねる芽がかわいらしく、それに手を伸ばす。私の体にしっかりと根を生やしているそれはどれだけ強く握り引っ張っても抜けることはない。
生命が誕生した。
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