偽聖女ですが王太子様と結婚することになりました!

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 私はビオレッタ。しがない男爵の娘です。  外見はこの国ではよくある金髪碧眼です。国王も亡くなった王妃様も、一粒種の王太子殿下もそうです。もちろん私の両親も親戚も友達も、色合いは違えど金髪碧眼です。  みな、金髪の具合がどれほど王族に近いのかを競っています。我が家は王妃の一族に近い色合いらしく、母が自慢していました。  ハードモードの間違い探しかよ。あほらし。  あ、失礼いたしました。  たまにこうなってしまうのです。  どうやら私は異世界転生なるものをしたらしく、若干ですが前世の知識や言葉が断片的に頭に残っています。そのせいか、ときおり言葉遣いが乱れてしまうのです。  転生したからといって何かできるわけではありません。この世界には魔法があり、王族や大貴族の中には使える人もいますが、私は違います。なので大人しく生きています。  何かの世界の悪役令嬢に転生ではなかったのでホッとしております。ヒロインだと、なんやかんや苦難が待ち受けております。そんなことは御免こうむりたく思います。  このまま平凡な令嬢として生きて行こうと思っております。  なのに、最近なぜか私が「聖女」であるとの噂が流れ始めて困っています。魔法すら使えないのに、どうしてそんな噂が流れたのでしょう。  噂なんてすぐ消えるものと思っていましたが、なかなか消えません。  聞いたところによると、私が歩いたあとには花が咲き、良い香りが漂い、私が歌うと鳥が集まるらしいです。  確かに以前、そのようなことが起きました。ですが、偶然だと思います。咲いた花は一輪だけです。香りは香水でしょう。鳥にいたっては、鳥のいるところで歌ったにすぎません。
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