偽聖女ですが王太子様と結婚することになりました!

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 後日、本当に殿下から求婚が来ました。奇跡の聖女を妻に迎えたい、と。  自分には断じて奇跡の力などありません。何もしていません。  なのに聖女と呼ばれ、殿下に結婚を申し込まれるなんて!  両親は大喜びでした。  私には恐怖でしかありませんでした。  とにかくも王宮に参上しなくてはならない、と両親に言われました。私と両親は一番いい衣装を身に纏い、指定された日に王宮へ行きました。  すぐに宮殿内へ導かれ、私はさらに別室へ案内されました。  どうして私だけ別室なのでしょう。  どうやら王子の私室のようですが、どうして……。  一人で不安になっているところへ、王子が現れました。  慌ててお辞儀をすると、王子は鷹揚に頷きました。 「今回は求婚に応じてくれてうれしく思う」  まだ返事してないのに、と内心焦ります。 「来たということは承諾したということだろう?」 「そのことですが、殿下……」 「それ以外は認めないよ、聖女さま」  殿下はいたずらっぽく笑いました。きゅんとなる笑顔でしたが、今はそれどころではありません。  ふざけんなボケ、と言いたくなるのを必死にこらえます。こっちの意志を無視してんじゃねえよ。
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