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何から切り出すべきなのか、母の話はこれで終わったのか、そもそも母は自分がこの件に対して何か話すことを望んでいるのか、全てがわからないまま時計の秒針が動く音だけが部屋に響いた。
沈黙を破ったのは今度も母だった。
諦めたように薄ら笑いを浮かべて母は「こんな母親でごめんね…」と謝った。
私は何も言い返せなかった。
確かにこの話を聞いて母に同情することはできなかった。
母の自業自得で始まったようなものなのにその被害は本人だけでとどまらず、与えられた影響で言えば私が一番影響を受けていると私は思った。
でも同時にそれに対する怒りはどうしても湧き出てこなかった。
母から言われたことを遵守し、今まで生きてきた私からしたら母は私にはなくてはならない存在であることはわかっていた。
そのことを母に伝えなければとは思っても私にはそれを口に出す勇気はなかった。
私は苦し紛れに海の話をした。
「あそこの海岸、一途海岸。今は閉鎖されてるの知ってた?」
「…そうなの?」
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