0人が本棚に入れています
本棚に追加
3
それから、一年が過ぎ、三月の卒業式の日
「お~い、里香。話があるんだけど、体育館の裏に来てくれよ」
隆は、教室から出た。
「は~い、行く」
里香は、ごそごそとしている。体育館の裏に着くと―――。
「話って、何?」
里香が、聞くと―――。隆は、深刻な顔をした。
「俺達って何だ?」
「友達以上、恋人未満じゃないのかな」
里香は、答えた。
「じゃ、俺達、離れても生きていけるじゃないのか」
「そうね。そうしなければいけないのよ。私達、もう、一人一人の
道を歩み始めたのよ。私と貴方は、違う道だわ」
里香は、笑った。
「分かった。もう、俺行くよ。さよなら」
隆は、歩き出した。
「待って、一つだけ言わせて。本当に、隆に逢えて良かった。
ありがとう。そして、さよなら」
里香は、手を振った。
それから、何年か経ち、私達は、逢ってない。里香は生きていたら、
きっと、いつかは逢えると思った。また、逢える日まで……
完
最初のコメントを投稿しよう!