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やっぱりサンダル
おじさんは私のおかげで友達が増えたって言ってた。
これまで、さみしくてさみしくて仕方なかったって。
今はそうでもないでしょ。
最初の日そう聞いてから私は決めたの。おじさんに甘えまくろうって。
もう寂しくなんかないわ。寂しい暇なんてないはずよ。
そうよ、大丈夫よ、ずっと私がいてあげるからね。
私に出来る恩返しなのよ♪なんてね。
冬が来た。ぽかぽかするマットも買ってくれた。
そこでうとうとしてると声が聞こえる。おじさんが電話してる。
相手はネエチャンだ。
おじさんの姉ちゃんなんだって。なのでおばちゃんに違いない。
「うん、うん、近所の人には愛想が良くて、そう、まだ来てもらっとるよ。うん、そのトレーナーの言うことも良く聞くんよ、それ!俺の言う事は聞かんね〜」
「でもあんた嬉しそうやね、イン◯タで自慢したいからって、あんなに頑なにガラケーだったのに速攻スマホにしたもんね、美容院月に2回なんてお姫様だ」
「まあね、可愛いからね、出来る限りの事してやりたいんよ。あ、起きてきたからまた!」
私が近寄るとおじさんは抱っこしてくれる。
あの日みたいにぎこちなくなんかない。
「何?散歩?よし行こうか」
今日は寒いね、っていうおじさんの足元は今日も素足にサンダル。
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