24人が本棚に入れています
本棚に追加
―――「……塚、鬼塚!」
「あ…はい!」
「鬼塚 結芽……君は先ほどから何を見ているんだね?外には何かあるのかね。」
「あ…いえ…」
古典の授業中、ずっと窓の外を見ていた私。
長いこと見ていたせいか、古典の担当教諭に注意されてしまった。
「まったく…君は高校2年生にもなって、まともに授業が聞けないのか?」
「すみません…」
「…もういい。今からはちゃんと授業を聞くように。」
古典の担当教諭は私に釘をさすと、教卓の方へと歩いていく。
私は教諭の後ろ姿を見つつも、窓の下に視線を向けた。
外では男子生徒がハツラツとした顔でサッカーをしている。
その中に、所々が緩くカールした黒髪の男子生徒が一人。
何度もゴールポストにボールを送り、同じチームであろう男子生徒たちとハイタッチをしている。
最初のコメントを投稿しよう!