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「玲央…」
周りに聞こえない程度の声で呟く。
……八神 玲央。
私の幼なじみ。
真っ黒な髪は彼のお母さん、緩い巻き髪はお父さんからの遺伝らしい。
幼い頃からずっと一緒の玲央。
幼稚園から高校まで、離れたことは一度もない。
同い年であるため、本当にいつも一緒だった。
――高校に入るまでは。
高校に入ってからの玲央は、私以外の女の子と付き合い始めて。
それと同時に、玲央は私から離れていった。
私は離れたくはなかったのに。
今でも傍に居たいのに。
玲央のことが…好きなのに―――――
――「ハァ…」
どうせ叶わない願い。
いくら私が好きであろうと、玲央が私を女の子として見ていなければ意味がない。
玲央は私を…女の子として見てくれたことは、一度もないのだから―――…
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