1)アイツより、俺を見ろ

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「玲央…」 周りに聞こえない程度の声で呟く。 ……八神 玲央(やがみ れお)。 私の幼なじみ。 真っ黒な髪は彼のお母さん、緩い巻き髪はお父さんからの遺伝らしい。 幼い頃からずっと一緒の玲央。 幼稚園から高校まで、離れたことは一度もない。 同い年であるため、本当にいつも一緒だった。 ――高校に入るまでは。 高校に入ってからの玲央は、私以外の女の子と付き合い始めて。 それと同時に、玲央は私から離れていった。 私は離れたくはなかったのに。 今でも傍に居たいのに。 玲央のことが…好きなのに――――― ――「ハァ…」 どうせ叶わない願い。 いくら私が好きであろうと、玲央が私を女の子として見ていなければ意味がない。 玲央は私を…女の子として見てくれたことは、一度もないのだから―――…
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