1)アイツより、俺を見ろ

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――――――――――― ―――――――――― ――――――――― ――放課後。 グラウンドで汗を滴らせ、走り回る玲央。 サッカー部のエースである彼は、やはり目を引くような動きをする。 「玲央、カッコいいなぁ…」 教室から見ているだけの私はそう呟いて、自らの言葉に顔を熱くした。 「何を(ほう)けてるのよ、私は…」 「―――本当だな。」 私の言葉に重なるように聞こえてきた低い声。 驚いて後ろを振り返れば、立っていたのは――… 「中野くん…」 金色の髪の毛を掻き上げ、立っている長身の男。 彼は私のクラスメイトで、あまりいい噂を聞かない不良男子、中野 狼(なかの ろう)。 「鬼塚…お前は何故こんな所で惚けているんだ?」 そう言って中野くんは私に近付いてくる。
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