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――放課後。
グラウンドで汗を滴らせ、走り回る玲央。
サッカー部のエースである彼は、やはり目を引くような動きをする。
「玲央、カッコいいなぁ…」
教室から見ているだけの私はそう呟いて、自らの言葉に顔を熱くした。
「何を惚けてるのよ、私は…」
「―――本当だな。」
私の言葉に重なるように聞こえてきた低い声。
驚いて後ろを振り返れば、立っていたのは――…
「中野くん…」
金色の髪の毛を掻き上げ、立っている長身の男。
彼は私のクラスメイトで、あまりいい噂を聞かない不良男子、中野 狼。
「鬼塚…お前は何故こんな所で惚けているんだ?」
そう言って中野くんは私に近付いてくる。
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