Episode1 新しい生活

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そんなこんなして、あっという間に目的地のバス停に着いた。 耳にしていたイヤホンをしまい、バスを降りた。 降りたら、目の前にはそびえ立つ、地下七階・地上19階の銀の壁がある。 これがHYBEの本社だ。 で、ここでめちゃくちゃ言い忘れていたことを思い出した。 「HYBE」という社名は実は僕の代からで、前までは「Big Hit Entertainment」という社名だった。 しかし、「この社名ではさまざまな分野に事業拡大してマルチレーベルとなった会社の真の意味や目的を完全には表現できない」とパン•シヒョク社長は考え、数回役員会議や株主総会を行い、この社名にしたそうだ。 それに伴って、新しいビルに引っ越したらしい。 この中には約700人ほどの社員達がここで息を吸って、ここで仕事をしているる。 社員証を首にかけ、いざ出勤。ロビーですれ違った社員に「おはようございます(안녕하세요)」と言い、自分らのオフィスがある16階へ。 「ねぇねぇ」 彼女が僕の肩を「ポンポン」と叩いた。 「16階まで、どっちが早く着けるか、競争しない?」 「い、いいけど…」 「じゃあ……、負けた方が、カフェ奢ってね。」 こんなことで「奢るor奢られる」案件を出す彼女も彼女だが、嫌われたらなんか嫌だし、誘いに乗った。 「それじゃ、よーいどん!」 僕の耳元でASMRをやっているかのような声で、そう言った。 彼女はエレベーター、僕は階段で上がった。 まあ、HYBEのエレベーターは大忙しだし、余裕で勝つと思うんだけどね。 〜5分後〜 意外にもほぼ同着で、お互い協議の結果、僕が奢ることにした。 別にどうでもいいんだけどねー。 とまあ、茶番はここまで。 16階には僕たちの"本当"の職場がある。 そこの名前は「SOURCE MUSIC」という会社だ。 「あれ?」、と思った方はこの話をよく読んでいる。 (読者)「お前、HYBEで働いているじゃねぇのか?この嘘つきがー!」 まあ、こんな怒号が飛び交うことは重々承知です。なんせ「HYBE」という会社が、他の大手芸能事務所と比べて、社内構造がちょいと違うんすよ。 普通、韓国の大手芸能事務所は一つのおおもとの会社に対して何個かの部署に分かれて、アーティストの活動・管轄を行なっています。 例えば、TWICEなどの超有名アーティストの所属であり、K-POP躍進の第一人者とも言える「JYPエンターテイメント」であれば所属事務所はJYP、レコード会社はJYPとなります。 しかしHYBEはおおもとの会社から3つの部署に分かれ、その中の「HYBELABELS」の中にさらにまた子会社ががいくつかあるという、政界でいう連立政権のような構造をしている。 なので僕の好きなアイドルでもあるBTSの所属はおおもとはHYBEであっても、詳しく言うと「BIGHIT MUSIC」という子会社に所属していて、レコーディングもそこで行っているという現状だ。 ただし「HYBEが子会社に管轄責任をほっぽり投げている」というわけではなく、HYBEもHYBEアーティストの活動の管轄や宣伝も同時に行なっている。 まあこれ以上進むと、ややこしくなるからとりあえず「HYBEは子会社の集まり」だと覚えてくれるだけでいいと思う。
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