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元カレの時の愛撫は乱暴で、痛かった記憶しかないけれど、織原さんは違う。
労るような、とても優しい触り方で、私の反応を見ながらゆっくりペースを合わせてくれる。
それに、やっぱりどこもかしこも気持ち良い。
触れられるところがとろとろに溶けて、力が入らなくなっていく。
「ぁんっ……」
胸の先端を指ではじかれた瞬間、自分とは思えない卑猥な声が漏れた。
恥ずかしくて口元を覆った手を、彼は優しく外す。
「声我慢しないで。どこが気持ち良いか教えて」
優しい囁きに包まれて、恐怖心なんて少しも感じない。
行きずりの行為とは思えないほど、とても温かくて慈悲深い時間だった。
「……キスしてもいい?」
濃密な愛撫の途中で、彼は甘い声で尋ねる。
嬉しくて歓喜に震えるけれど、同時に不安も襲った。
こんな行為をしといてなんだけど、キスはハードルが高い。
なんとなく、それは本当の恋人同士がするものであるような気がして。
歯磨きもしてないし、幻滅されるのが怖い。
「それはダメ」
織原さんとキス、したかったー。
そんな心の声とは裏腹に、可愛げなく顔を背ける。
その瞬間、勢いよく唇が重なった。
「○△%×~!?」
キスしてるじゃん!
ダメって言ったのに!
質問の意味あった!?
混乱しているうちに彼の舌が私のに絡んで、今まで味わったことのないような快感に震える。
「んんっ……」
温かい舌の感触が口内を刺激して、身体の奥にダイレクトに伝わる。
腰の力が抜けてジンジン疼いて、中がじわりと潤っていくのがわかった。
キスの間も胸の愛撫は止まらなくて、途切れない快楽に身を委ねる。
リップ音と漏れる吐息が響いて、余計興奮を誘った。
織原さんが欲しくて我慢できない。
本能がそう叫んでいた。
「ごめん。我慢できなかった」
長いキスの後、最後に私の唇をペロリと舐めて彼は微笑む。
あまりにも妖艶で、「ダメって言ったのに」と文句を言うタイミングも失う。
「ひゃあっ!」
「こっちもだいぶ濡れてる」
油断している暇もなく、彼の手は私の下半身に移動した。
自分でもはっきりとわかるくらい濡れてしまったショーツを撫でられて、恥ずかしさと気持ち良さに鳥肌が立った。
そこで再び怖じ気づく。
「あのっ……やっぱりシャワーに」
「もうそんな余裕ない」
「そんなっ!」
少しずつ気づき始めたけれど、織原さん、若干キャラがいつもと違う。
優しいのは変わりないけれど、ちょっと強引で雄みが増しているような。
「大丈夫。汚くないから」
そう言ってするりと下着を脱がし、こちらが抵抗する余裕もなく長い指が秘部に侵入した。
途端に痺れるような快感が走り、声を上げて仰け反る。
「やっ……それダメっ! ……待っ……ダメダメダメ!」
「なんでそんなに反応可愛いの。かなり久しぶり?」
楽しそうに私を見下ろして、観察しながらナカをかき混ぜる織原さん。
優しいのに、どこか意地悪に見えてくる。
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