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彼の指は容赦なく私のナカをかき混ぜる。あまりの快感に心も身体もついていかず、気づいたら涙が溢れていた。
必死にシーツにしがみついて、ひたすら与えられる刺激の波に耐える。
「痛い?」
「痛くないっ……気持ちいい……」
思わず漏れた本音に、織原さんは優しく笑って頬を撫でてくれる。
「可愛いよ。春野さん」
うっとりとした眼差しで見つめられると勘違いしそうになって、すぐにそんな自分を窘めた。
「もっと気持ち良くなって」
彼の愛撫は激しさを増し、指や舌で執拗に私を攻めたてる。
「ぁんっ……っあぁ! きもちぃ……」
「春野さんって、ベッドの中ではこんなに可愛くなるんだ」
恥ずかしくてたまらないけど、取り繕っている余裕もなく、情けない嬌声を上げ続けるしかない。
「も……やだぁ……」
「やじゃないでしょ。ナカ、ヒクヒクしてもっとっておねだりしてる」
言葉でも攻められながらたっぷりと可愛がられた末、せり上がる快感がピークに達し仰け反った。
「イッ……」
絶頂を迎え痙攣し、脈打ちながら私のナカは彼の指を締めつける。
……こんなに気持ち良いなんて。
「はぁ……はぁ……」
ぐったりとして息を整え、恍惚と余韻に浸る中、ふと気づいた。
ここまでの流れ、私が気持ち良くなるばかりで、織原さんの気晴らしに全くなってないんじゃない?
それなのに、今も優しく私の髪を撫でてくれて、「可愛い」と何度も囁いてくれる。
「織原さんも気持ち良くなって」
そう言って見上げ、恐る恐る彼の下着に手を伸ばす。
いきり立ったそこは熱く硬くなっていて、触っただけでわかる大きさに息を呑んだ。
「でも初めてだと俺の入れたら痛いかも」
そんなふうに苦笑する織原さんに焦る。
いつの間にか初めて認定されていて、慌ててまた否定した。
「初めてじゃないから! 大丈夫! たくさんしたことある!」
必死になって説得すると、何故か彼の顔が曇る。
「……たくさんしたの?」
「まあ……」
気まずくて目をそらす私に、また彼は口づけをくれた。
キスをしていると、宙に浮いているような浮遊感を覚え、また身体の奥が疼いていくのがわかった。
「……じゃあ俺のも入るかな」
ついに彼はゴムを手に取り自身に装着すると、再び私の上に重なった。
……いよいよだ。
大好きな織原さんと、一線を。
足を大きく広げられ、身体を密着させる。少しずつ彼のものが入っていく実感に、嬉しくて涙が滲んだ。
「俺にしがみついて。痛かったら爪立てていいから」
言われた通り彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱き締める。
肌が触れ合っているだけで気持ち良くて、彼の温もりに包まれていることが幸せだった。
「んっ」
圧迫感にうまく息ができない。
彼も苦しそうに顔を歪め、荒く呼吸していた。
「キツ……」
もしかして、織原さんあまり気持ち良くない?
初めてだから上手く適応できないことが悔しくて、不安が込み上げる。
「辛くない……?」
「はい……」
正直言って多少の痛みはあるものの、彼の熱の心地良さの方が大きい。
「……織原さんは?」
心配になって聞き返すと、織原さんは顔を赤らめて甘く囁いた。
「良すぎてすぐイキそう」
そんな言葉に安堵して、喜びが募る。
彼も快感を感じられていることが嬉しくて、それだけで充足感に満たされる。
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