男手ひとつで

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 授業参観は、行ける限り行くようにした。  父親の参観は、やはり少数であり、チラチラと視線が向けられるのを感じてはいた。  しかし、それもすぐ慣れた。  俺が参観に毎回来るものだから、授業参観は父親も見に来てよい、という雰囲気が広まったのだろうか。  だんだんと参観に来る父親の数も増えてきた。  同じ男性同士、挨拶を交わしていくうちに親しくなることもできた。  学校行事では、保護者のお父さん連中で「おやじの会」なるものを結成し、運動会の片付けなどをボランティアで手伝う活動にも取り組んだ。  子供の学校生活に親としてこうして関わることができて、これはこれで満足感があった。
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