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男手ひとつで育て上げた一人娘、里沙がついに結婚することとなった。
嬉しさと同時に、寂しさも感じる。
俺はこれまでの子育てを思い返す。
まさに、万感の思いだ。
里沙が選んだ男に間違いはなかった。
彼は料理が得意で、掃除や洗濯もしっかりできる、今どきの男であった。
「彼はね、お父さんみたいに家事ができる人だから、安心できるの」
と言われたときは、これまでの子育ての苦労をねぎらってもらえたかのような感動を覚えたものだ。
妻は、里沙が五歳の時に、病気で亡くなった。
以後、俺と里沙との二人暮らしでここまで生きてきた。
いわゆる、父子家庭である。
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