1人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっぱ日本人は芋ようかんに甘くない緑茶だわー」
お見合い結婚して、アメリカに渡りニワトリの柄のパジャマで、母が送ってくれた緑茶と芋ようかんを食べながらもぐもぐと日本の味に味わっていた。
28歳でブラック企業に疲弊してプチニートをしていたら母にお見合い話をどーーんって沢山持ってきたのが始まり。
母の猛プッシュで、イケメンのスポーツ選手とお見合いすることになって、私なんかと釣り合うわけが無い!とそう主張したが、断られることが無かった不思議である。
そして着たのは超イケメンの高身長。【確かめたいことがあるから】と見合い当日の夜のベットで一緒に寝た。
勘違いしないで欲しいのだか同じベットで一緒に寝ただけで何も皆さんが期待することは何も無い。
それで、何も無かったからお嫁さんには選ばれないと思うでしょ?
それが是非うちの嫁にと相手側にアピールされたのだ。
かくして付き合って1週間で婚姻届を書くことになったのだが、その理由を聞くと。
「眠り浅いからゆっくり寝かせてくれる人と結婚したかった 」
だそう。
スポーツ選手は睡眠時間が大事だそうだ。
隣で寝ても寝かせてくれる寝られる女が良かったらしい。
奥さんと言ってもハウスキーパーさんがやってくれるし、夫が居ない間に甘いお菓子を食べながらお茶をすするニートしてもいいみたいだ。
どうやら義両親は一人暮らしをする夫はスポーツ以外は抜けてるところがあるらしく、食事を抜く、睡眠を取らなかったり、心配なところがあるので監視役が欲しかったらしい。
「ただいまー」
あ、夫が帰ってきた。
「おかえりなさい」
夫を迎えにきたら呆れるように笑って
「そのパジャマ、気に入ってるなー」
似合ってるけどと付け加えられた。
「同じものの男サイズを買ってきたんで着ますか?」
一応、まだ新婚で交際期間0なので敬語である。
「え?俺も?」
困ったように笑うが、私が持ってきたパジャマを見ると夫はお風呂に入った。
今はちょっと友人に近い関係だけど夫婦には物足りない。
夫婦っぽくなるのは暫くかかりそう。
恋人のようになるのが先か夫婦のようになるのが先か。
まるで卵が先かニワトリが先かの問題に近い気がする。
最初のコメントを投稿しよう!