3 背中

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前野君から届いたLINEを開く。 ランチのお誘いだった。 もう、3時だ。 『ごめん、今LINE見た』 と打つと、すぐに返事が来た。 『お腹空いた』 『食べてないの?』 『はい。迎えに行きくから、ごはんにつきあってください』 そういえば、私も今日は飲みものしか飲んでなかった。 昨日食べ過ぎたからお腹すいてなかった。それに、最近食欲がなかったから、食べたいとか思うことがなかったなあと思いながら、お腹を摩った。 自分が食べたいもの・・・蕎麦。うん、蕎麦が食べたい。 久しぶりに感じる食欲に、食べれらるならもう大丈夫だと心臓を摩った。 『蕎麦が食べたいです』 『いいですねー。行きたいところあるんですか?』 『特にない』 『長ズボンとブーツかスニーカーは持ってますか?』 え? 長ズボンって。ふふふ。 きっと綺麗なパンツではなくて動きやすい服ってことよね。 お蕎麦食べに行くんだよね?動きやすさを求める蕎麦って…どこに行く気だろう? まさか!蕎麦打ちとか!? 『ある・・・けど、どこに行くの?』 『おいしい蕎麦屋。場所はお楽しみってことで。暖かい恰好してまっててください』 美味しい蕎麦……まさかの前野君が打った蕎麦とか!? 『了解』 『30分後につきます』 うわ30分か。忙しいなあ。と急いでメイクを始めた。 ボトムはスキニージーンズ。トップスは黒のニットで袖がふんわりしたパススリーブになっているものを選んだ。 コートは・・・。 「暖かい恰好でってことは、寒いところに行くのかしら?」 いやいや、寒いと言っても雪国じゃない。 お蕎麦だし、蕎麦打ちにしても、室内・・・よね? ああ。わからない。 ピコン。 『到着』
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