鋭利なチクワ(後編)

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鋭利なチクワ(後編)

「社長、世界各国で大変な事になっています。 弊社開発の『鋭利なちくわ』を食べて犠牲者が続出した と、言っています」 と、血相を変えているのは営業部長だ。 「何故、鋭利なちくわを武器に 使用せずに食べたんだ!?」 と、怒りを表しているのが、製造部長である。 「あの、ちくわの形が武器に見えないのではないのかね」 と、社長は言う。 「形と申しますと、 どの様にすればよかったのでしょうか?」 と、聞く部長。 「だって、あの形では武器には見えないでしょ。」 「でも、あの形でないと食べ物にも見えません。」 「君は、あの『鋭利なちくわ』を武器として売りたかったのかね。それとも食べ物かね?」 と、聞く社長。 「勿論両方ですが、どちらかというと食べ物として 売り出すつもりでした。」 と、営業部長。 「私は武器として売るつもりで開発しました」 と、開発部長。 「最初から、二刀流は間違いのもとだったんだね」 と、力なく言う社長 「次は『バールの様なちくわ』を作ってくれたまえ」
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