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その図書館は森の西にある。昼には森林浴が楽しめそうで、夜には言の葉に月の光が似合いそうな森である。所有者である大富豪の別荘の一角にあり、宿泊施設が隣接している。どうやら合宿で利用する人もいるらしい。
図書館の設立目的は「書きたい心を育てる」である。
利用者は自分の本を最低一冊、図書館に預けなければいけない。預けられた本は、三か月保管される。その間に別の本と交換した場合、その本が三か月保管される。三か月経過すると、分類ラベルが貼られ、一般書架に配列される。同一タイトルの本が既に配列されている場合は、貸し出し可能として、そのまま並べられる。同一タイトルの本が無い場合は禁帯出のラベルが貼られ、館内での閲覧のみとなる。
自宅に置き切れないが捨てられない本が預けられることが多い。利用者の申し出で、三か月の保管を待たずして一般書架に配列される。
一般書架の本の目録はインターネットで検索可能で、新着図書のページは頻繁に産所されているようである。
長期保管を希望する場合は、月額借賃を払って専用の倉庫で保管してもらう。レンタル書架のようなものである。
来訪が困難な場合は、インターネットで申し込み、送料のみ負担で図書の貸し出しを受けられる。貸し出し期限は三か月後である。
午前九時開館で午後五時閉館。年中無休である。併設の談話室から宿泊施設に移動する利用者も見受けられる。どうやら第二部が始まるようである。
作家仲間で書きたい心を育てあっているようで微笑ましい。
あなたも本を預けてみませんか
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