僕とぼく

　＿「おい！待てよ！」

「黙ってろよニセモノは」

違う…なぜこんなことになってしまったんだ…！

遡ること＿2ヶ月前

「おっはよー！」

「おはよう！」

僕はクラスでも人気があるほうだと思う。

男子からは頼られ、女子からは告白されることも多々ある

「なぁ、優希(ゆうき)〜昨日さゲーセンいたよな？チラッと見かけたんだ」

そんなわけがない。昨日は家でずっとゲームをしていたんだから

「いや、家にいた」

「おっかしいな…あれ絶対優希だった」

「見間違えだろ」

その時は、そんな軽いふうに考えていた

しかし、事態は深刻だった。

1週間のうちで僕の目撃情報が多数見つかった。

すべて、行(い)った覚えがないし、その時は他の場所にいたのだ

なぜこんなにも僕の目撃情報があるのか…

「優希のドッペルゲンガーだったりして」

クラスの奴らはみんな他人事(ひとごと)でケラケラ笑っている

笑いごとじゃない。こんなにも僕にそっくりの奴がいるってことじゃないか

たしかめてやる。