退職届

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「ヤバっ、……で、出る」 白濁が私の顔めがけて飛んできた。 「ギャー!!社長、何してくれるんですか!!」 「呼んでもないのに社長室に入ってきたお前が悪い。それより、色っぽいな。滾りが治らない。美織も慰めてやるよ」 両肩を捕まれ、2人掛け応接ソファーに押し倒され、馬乗りになった桐嶋社長にブラウスのボタンを外され、胸を露わにされた。 「社長、コレって性犯罪ですよ。これ以上やったら警察に突き出しますからね!!」 胸の谷間に剛直を挟んで腰を振る桐嶋社長を睨みつける。 「そんな事をしたら世界中にいる“モンクエ”のユーザーが悲しむだろうな。淫行事件なんか起こしたら社会的信用失って会社継続難しいだろうしゲーム開発なんて無理だからな」 グローバルアクティブユーザー1億人突破。 日本の人口に近い数のユーザーが毎日“モンクエ”をプレイしている。 「ま、痴情のもつれと警察は判断するだろうな」 端正な顔立ちをした超絶イケメンな社長。 切れ長な二重瞼の瞳に鼻筋が通っていて、薄い唇から整った白い歯が見える。 「美織に退職されたら困るんだよ。作画任せられるの君しかいないしね。激務を理由に5回も退職届持って来られたら、身体使って分からすしかないよな」 桐嶋社長に獲物を見るような目を向けられ怯んでしまう。
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