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退職届 side 桐嶋蓮翔
俺の描くアニメーションに似た画質とオリジナリティ溢れた多彩なキャラクターデザイン。
「本日、面接を受けさせて頂きます。杉原美織です。よろしくお願いします」
採用試験の書類審査で提出されたポートフォリオに惹かれ、彼女を面接した。
1年ほど前からアニメーション担当の募集かけていた。
684名が応募してきて、送られてきたポートフォリオをひとつひとつ確認するも採用したいと思える人材と出会う事ができず、担当者が決まらないでいた。
使えない社員を多く雇用するのは無駄だ。
少数精鋭でゲーム開発を行うと決めていて、雇う社員は吟味して採用すると決めていた。
アニメーション制作を任せられる人材がいないから、大ヒットアプリゲームの追加コンテンツ開発が進まない。
このままでは人気低迷し、落ちゲーになると焦っていた時に彼女が応募してきて、救世主だと俺は心から思った。
「お掛けください。社長兼ゲームプロデューサーを務めております桐嶋蓮翔です。よろしくお願いします」
リクルートスーツに身に纏った彼女の第1印象は歳のわりに幼い。
可愛らしい顔立ちにコロコロ変わる表情。
「杉原さんのポートフォリオを拝見させて頂きました。是非ウチで働いて頂けたらと思います。卒業まで半年間ありますが、今日から仕事をお願いしてもよろしいですか?」
人となりよりもアニメーション制作を任せられるかが重要。
新卒なのもあり社会経験が乏しく頼りないが育てていけばいいと採用する。
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