1人が本棚に入れています
本棚に追加
魔王の陰謀
その頃、光の国では大騒動が起きていた。なんと、勇者パーティの魔導士が魔王に結婚を迫った挙句に失敗し、思い通りにならずにモラハラ、パワハラ、セクハラを働くという問題行動が晒されたからだ。
「ち、違う、違うのっ……」
何をどう言い訳しようが周りの目は氷のように冷たい。モザイクはかかっているものの、白いローブを被っているのは明らかであって、言い逃れは出来ない。勇者パーティに魔導士は二人。一人は白魔道士、もう一人は黒魔道士だ。
「おいネルル、お前正気か⁉︎」
「だ、だから……これは、ふぇ、フェイクよフェイク‼︎‼︎ こ、これが魔王のやり方よぉ……」
「フェイク?」
「わ、私たちに精神攻撃を仕掛けるつもりよ」
「社会的抹殺方か。なるほど、それは恐ろしいな」
ある事ない事晒されては困る。何かやましい事があるのか勇者は立場を守るため、一度諦めたラストダンジョンへと足を進めようと言い出した。
「何だ、全然モンスターに出くわさないな。楽勝楽勝っ」
勇者一行は不自然な程静かな魔界をぐんぐんと進んで行く。当たり前だ、俺があの女を早くラストダンジョンに導くため、モンスター達をわざわざ撤収させたんだからな。
そして案の定、光の国を出てたったの数時間で勇者一行はラストダンジョンに辿り着き、最上階の俺の部屋までやって来た。
最初のコメントを投稿しよう!