魔王の陰謀

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 俺は勇者パーティに加わった。一度このフォーメーションとやらを体験してみたかったんだ。いつも一人で複数人を相手しなければならなかった俺。力を合わせた連携プレイが出来るなんて、夢にも思わなかった。 「頼むエルダー、俺は回復系の魔法はいただけない。そこの黒魔道士の美女と共に守ってくれ。その間に攻撃を仕掛ける‼︎‼︎」  あぁ、仲間との出会い。そして絆。独りぼっちはもうお終いだ。楽しい世界がすぐそこに待っている。 「無駄よ、諦めなさい」 「煩い白い布女‼︎‼︎ いや、真の魔王‼︎‼︎ 俺は明るい未来の為お前を倒す‼︎‼︎ 仲間とともに‼︎‼︎」  名台詞(ぜりふ)が決まった。言ってみたかったんだよなぁ。これは後世に引き継がれる名シーンになるに違いない。 「さぁ、しばらく俺を守っていてくれ仲間達よ‼︎‼︎」  キラキラした気持ちで待ち侘びるも、一向に防御してくれる気配がない。俺の声、ちゃんと届いていますか。今この瞬間にあの悍ましい白魔法を掛けられたら、俺、大ダメージくらっちゃうよ。 「エルダー、さっさと攻撃して来なさいよ。あんたの攻撃なんて、痛くも痒くもないわ。最高度の白魔法で全回復してあげる」 「エルダー、そんな奴に耳を貸すな‼︎‼︎ 俺に任せておけ‼︎‼︎ 白魔法さえ防御出来ればあんな奴一撃なんだ‼︎‼︎」  しーーん  さっきも言いましたが、俺の声、届いていますか?  何度叫ぼうが、俺の間合いはガラ空き状態。誰も防御してくれない。何か違う作戦でもあるというのか。 「ほら見なさいよっ」 「ど、どういう事だ???」  
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