0人が本棚に入れています
本棚に追加
私は、帰り道、子猫を拾った。
正確には友達が拾ったんだけど、友達の親御さんが猫アレルギーで飼えないと言われた…らしい。
私も、実は猫アレルギー持ちで、酷くはないけど、咳とか、かゆみが出る。
だから、断ろうと思ったんだけど。
「この子、藍子に似てるよ。だって、捨てられてたんだし。」
そうだ。私は、物心ついたころに捨てられて、前まで孤児院生活だった。
でも、高校生になったころに里親に引き取られた。今までの孤児院でいじめられていたのが全くなかった。いつも優しかった。
何で引き取ったのって聞いたら、可哀想だからって帰ってきた。
その後すぐ、付け加えていった。
「うちには子供がいなくて寂しかったこともあるね。」
って。その時私は泣きそうだった。辛かったあの痛みも何もかも消し去らってくれたから。
だから、子猫を育てたらって言ったんだ。でも。
「自分もしてくれたんだから、この子猫にも育ててあげたら。」
そういう眼差しだった。
「うん。飼うことにするよ。」
その後、ペットショップに預けようと思ったができなかった。可愛すぎた。多分、ペットショップに行かなくてもやろうと思えばそこらへんに捨てられたが、野良猫行きになるからやらなかった。
夜、その子猫に名前を付けた。
名前は・・・「愛」
何でって?だって、私と同じように愛を十分にもらえていなかったんだから。
最初のコメントを投稿しよう!