乾き

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「なぁ、さっさと服脱いでくんない? 恥じらう乙女でもあるまいに」 「はっ、生憎俺はストリップする趣味はねぇよ」 「それは僕に脱がされたいってこと? 素直じゃないなぁ。そんな、今にも欲しいって表情(かお)しといて。脱がなきゃ突っ込めないだろ?」  ――すっげぇ欲しい。  だから俺はコイツの首を引き寄せて唇を塞いでやれば、(素直じゃねぇのはどっちだよ)肉厚な舌はすぐに俺の口腔へやや乱暴に()じ込まれ、粘膜を(もてあそ)ぶように頬肉を舐め回す。  そんなんじゃ足りるわけが無いから、舌根の奥に噛み付いて、もっと奥を(おか)すよう促せば、ちょろい舌は思惑通りに俺の喉奥にまで伸びてきて、(むせ)るほど(すす)り上げてくるのがたまらない。  唇の狭間で(あか)い舌を吸い合って、もつれ合わせて、互いを吸い付くし、撥条(ぜんまい)みたいにくるくる肉が(こす)れ合う。  キスに注意が向けている間にカットソーの中に冷んやりとした手のひらが――いや、俺の身体が熱いんだろう、自覚はある。  臍の(くぼ)を指で探られるのがやけに気持ちが良くて短く吐息を落とすと、手のひらは脇腹を、あばらを、そして愛撫を待ちわびているキスで尖った突起に到着する。  親指と人差し指でピンッと爪弾(つまび)かれれば、背筋が淡く痺れ、胸を飾る彩りをぐるりと親指の腹で撫で回されれば、芯が通ってしこりになっている粒が刺激を求めて疼きだす。  カットソーを首までまくり上げられれば(結局脱がすんじぇねぇか)思惑通りの動作に、キスで塞がった唇を、『サンキュ』という意思を込めて噛み付いてやる。  胸を(まさぐ)る親指と人差し指は、何か旋律を刻むようにリズミカルに俺の吐息を乱し、徐々にキスが苦しくなってきて頬を押しやって口接を解けば、透明な糸が互いの唇が離れるのを名残惜しむように繋がっていた。  それを引きちぎったのはコイツの舌先で、それがリレーのピストルのように合図になったのか、寂しく乾いていた片側の突起をキスで濡れた唇で()んでくる。  唇で挟みながら、尖らせた舌でちろりと舐めあげられれば(やべぇ、マジで腰にクる)そこへの刺激は下肢の熱に直結する。  否――。  下腹の欲望はキスの時点で互いに目覚めていたのだろう、太腿に押し付けられたかたまりは、目の前の男の情動も素直に伝えてきた。 (早く突っ込まれてぇ)
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