14人が本棚に入れています
本棚に追加
5 コンポストしよう!
次の日、畑の土は耕せたが、いかんせん土が痩せている。
このままでは、ロクな作物は育たないだろう。
俺は土団子を作って確かめる。
「エイスケさん?
何をしているんですか?」
「土の状態を確かめているのさ。
ほら、土団子が握れなくて、サラサラ落ちていくだろう?
これは、土地が痩せている証拠さ。」
「はい、それは…
みんなも、重々承知です…
でも、肥料は高くて、とても…」
シャロンは言う。
「うーん…
ねぇ、山の腐葉土を取ってきたら?」
「山なんて…!
モンスターがうじゃうじゃしていますよ!
とても、私の魔法じゃ…」
どうやら、危険らしい。
こうなったら…!
「よし、ゴミ捨て場に向かおう!」
「え、ゴミ捨て場…!?」
驚くシャロンを連れてゴミ捨て場に。
生ゴミを持っていく。
「臭いですぅー…!
こんな生ゴミどうするんですかぁ!?」
「まぁ見ててよ。」
俺は生ゴミと土を合成した。
チャッチャラッチャラー!
【肥えた土】が出来た!
「え、え、えぇぇぇぇぇ!?
すごい魔法です!」
「これはね、魔法というより、スキル、なんだよ。」
俺はシャロンに説明する。
「ス、ス、スキル!?
スキルって10人に1人しか持ってない、あのスキルですか!?」
「え、そうなの…?
てっきりみんな持ってるのかと…」
びっくりする俺。
「と、とにかく種を植えよう!」
俺は言った。
そして、種蒔きして、その日はまたシャロン宅に戻った。
「しかし、生ゴミにも触ったし、お風呂入りたいなぁ…」
「お湯沸かしますから、布で拭ってくださいね!」
「あ、あぁ…」
そして、布で拭って、コカトリスのスープとパンを食べて眠りについた。
♦︎♦︎♦︎
翌朝。
「エースケさん!
エースケさん!!!
起きて下さいよぉぉぉぉ!!!」
シャロンに揺り動かされて目を覚ました。
「何だよ、まだ、夜が明けてすぐじゃないか…?」
俺は眠たい目を擦りながら言う。
すると、シャロンは畑の方角を指して目をまんまるにした。
「畑?
畑がどうかしたの?
喋ってくれよ、シャロン。」
「とにかく来てください!」
そして、畑に向かうと、そこにはじゃがいもの葉がわんさか茂っていたのだ。
「ま、ま、マジで…?」
「エイスケさん…!!!」
「え、なに…?」
「ありがとうございます…!!!
エイスケさんは神様の使いです!!!」
「そんな、大げさだよ…」
とはいえ、シャロンからしたら、ろくに取れなかった野菜が一日で豊作なのだから、拝みたくもなるだろう。
「シャロン、村の人達に見つかったら厄介だ。
早く掘り起こして、シャロンの家に保管しよう!」
俺たちは手分けしてじゃがいもを掘った。
最初のコメントを投稿しよう!