11 リコール

1/1
前へ
/29ページ
次へ

11 リコール

「何だと!? そ、そんな事出来るはず無いだろう!?」 「出来ますよ。 ガルドに従っているのは、甘い蜜を吸おうとしている人間だけです。 町役場の議員の数は7人でしたね? ここに、5万ゴールドあります。 これを5人に配るんです。  そして、こう囁くのです。 『私が町長になったら、もっと良い思いできるぞ。』と…」 「ふーむ…」 「お願いします! 俺を… いいえ、この村を救えるのは、あなたしか居ないんです!」 「ふむ… 私も男だ… ダメ元でやってみるか。」 「ありがとうございます!!!」 ♦︎♦︎♦︎ 数日後、ガルドさんはリコールされ、新町長に、ゼガさんが選ばれた。 俺はゼガさんに頼んで商売権を発行してもらい、相変わらずじゃがいもポテチやコカトリスの塩唐揚げを売った。 そうして、村は平和を取り戻した。 「エイスケさん、前からこの町の事を()と言っていますが、ここはれっきとした()ですよ?」 唐揚げをジュージューと揚げながら、シャロンが言った。 え、ここって町なの?(°_°) 「そうなのか! 分かったじゃ、村の人たちじゃなくて、町の人たち、だな!」 「えぇ。」 俺はその日、コカトリスの卵を3つと砂糖を買ってきた。 コカトリスの卵は普通の卵の5倍くらいの大きさだった。 これで何を作るのかって? そりゃあ、卵と言えばアレさ! 「オムレツか目玉焼きにでもするんですか?」 シャロンが尋ねた。 「違うよ。」 「これは、塩と砂糖で味付けして…」 俺はボゥルで素早く卵をといた。 砂糖大さじ3と塩少々を入れて、さらにかき混ぜる。 そして、オリーブ油を敷いたフライパンで焼いた。 そう! 作るのは【コカトリスの卵焼き】だ! そして、コカトリスの卵焼きが完成した。 シャロンは、わぁー!とか、すごーい!とか言いながらその様子を見ている。 「ちょっと、シャロン食べてみて!」 「はーい! え、あまーい! そして、微かな塩気がさらに甘さを増していますね! ふわふわでオムレツとも目玉焼きとも違う…」 「美味しいだろ?」 「はい! エイスケさんはやっぱり天才です!」 そんな褒め言葉を受け取り、その日からコカトリスの卵焼きを販売することにした。 コカトリスの卵焼きは爆売れした。 あっという間に卵が無くなり、その日は他の物も売り切れたので、閉店にした。 俺たちはコカトリスのシチューとパンを食べてその日大満足で眠った。 そんな日々を過ごして2週間が経った頃、俺は今まで稼いだ金を持ってある人の元へ向かった。 そのある人とは…? それは…
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加