3 カルチャーショック

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3 カルチャーショック

「そ、そっか…」 俺の笑顔は引き攣っているに違いないが、そう答えた。 「すいません、貧乏でお恥ずかしい限りですが…」 「いや、そんな事無いよ! 突然お世話になるのは俺の方なんだから!」 俺は必死にフォローした。 「ありがとうございます。 じゃあ、今から夕飯を作りますので、エイスケさんはしばらく町を散歩でもしてくださいね。」 「あ、あぁ… そうするよ。」 俺は村を散策することにした。 村は農家が多い印象だが… かなり土地が痩せていて、細いにんじんを老人や子供が引き抜いている光景があった。 ん? 働き盛りの大人は居ないのかな? 俺はフラフラと村を行ったり来たりして、そろそろいいか、とシャロン宅に戻った。 「あ、エイスケさん! 今出来上がったところですよ! 今日は奮発しましたから!」 「おぉ、そっか! ありがとう!」 俺は言い、かまどのそばのちゃちなテーブルのある地面に座った。 「今日は屑野菜のコンソメスープとカボチャの種でーす!」 え? Pardon? のコンソメスープ? カボチャの??? それって食べれんの…? 「少し薄いかもしれないけど、屑野菜のコンソメスープ美味しいですよ! それに、カボチャの種! もう、栄養満点で香ばしいですよ!」 いやいやいや… 栄養満点は嘘だろ… 俺は何も言えなかった。 ナタリーさんも起きてきて一緒に食べた。 屑野菜のコンソメスープは薄いし、少し生臭かった。 カボチャの種? いや、どんな味って、そりゃほんのりカボチャの味がする種の味だよ、うん。 ヤバい、これじゃ異世界生活を満喫する前に栄養失調になるぞ! その日そのまま眠ったが、何せあんなスープと種じゃ、腹が減って仕方ない。 それに、地面に寝ているもんだから、小石の感触が直でくる。 背中が痛いよ… これは、何とかしなくては! しかし… 料理と合成だけじゃ… そう思った俺は自分の服装を見下ろした。 ブラザーにネクタイ、シャツ、ズボン、そして、革靴… 革…靴…!? これって合成したら何か出来ないかな!? 俺は右と左の革靴を合成してみた。 チャッチャラッチャラー! 【レザーヘルム】が出来た!!! 「おぉぉぉぉ!!!」 これは… 高く売れる… かも!? 次の日の朝、俺はシャロンにレザーヘルムを見せた。 「えぇぇぇぇぇ!? レザーヘルムですかぁ!? 私も… 見たのは初めてで…」 「これ、売ったらいくらになるかな?」 「レザーヘルムなら、1万ゴールドはすると思います!」 へー。 金の価値が分からないけど、そんなにするんだ? そして、2人で村で唯一の防具屋に向かった。
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