7 ポテチ売ろう!

1/1
前へ
/28ページ
次へ

7 ポテチ売ろう!

その日、相変わらずじゃがいもは豊作で、村の人たちにも結構お裾分けしたし、今日はじゃがいもをアレンジして売ることにした。 「え、じゃがいもを売る?」 「そうそう、そろそろお金稼がないとだろ? だからさ。」 「でも、大量にじゃがいもを村の人たちに配った後ですし… 買ってくれる人いるのかな…?」 シャロンが心配そうに言う。 「そ・れ・が! 良い方法があるんだなぁ!」 俺は自信満々に言う。 「えーと、どんな方法なんですか?」 「まずは、オリーブ油を買おう。」 「??? はぁ…」 俺たちは残りのお金で高価であるオリーブ油を買った。 「エイスケさん、オリーブ油で何をするんですか?」 「うん、ちょっとね。 あ、シャロン、かまどの火を強火で付けてくれない?」 「え、あ、はい。」 シャロンは火魔法でかまどに火をつける。 「そしたら、このフライパンにオリーブ油をたっぷりと入れる。」 「えぇー! そんなに入れたら勿体無いですよ! 高いのにぃ!」 「良いから良いから!」 俺はオリーブ油をドバッと入れた。 「ここに薄切りしたじゃがいもを水気を取ってさっと揚げる。 仕上げに塩を振りかけて…! 【じゃがいもポテチ】の完成だ!」 俺は言う。 「えーと、じゃがいもを油で揚げたもの…ですか…?」 「食べてみなよ! 美味しいから!」 俺はじゃがいもポテチを勧める。 シャロンはパリッとじゃがいもポテチを食べた。 「何これ…!? 塩気と油が染み込んでて、パリッとしてて美味しい!!!」 「だろー? まぁ、簡単なんだけどね、作り方は。」 俺はじゃがいもポテチを揚げ続けながら言う。 そして、ボロ布切れに、『じゃがいもポテチ販売』と書いて売り出した。 じゃがいもをもらった村の人たちが結構集まってくれて、じゃがいもポテチはあっという間に完売した。 「サクサク!」 「いや、パリパリだ!」 「油で美味しい~!」 「塩気がたまんないわぁ!」 そんな声が飛び交い、じゃがいもポテチは大人気商品となった。 売り上げは2000ゴールドにもなった。 それから、しばらくはじゃがいもを育てて、じゃがいもポテチを売るというルーティンが続いた。 その内、村の人たちから、自分の畑も耕してくれ、という依頼があり、俺は予約順に村の人たちの畑を回る事にした。 シャロンはじゃがいもポテチのコツを掴んだので、1人で売ったり、帰ったら夕飯を作ってくれている。 順風満帆。 そう思われた。 しかし… 「じゃ、シャロン、今日はミークさん家の畑に行ってくるよ。」 「いってらっしゃい。 今日はエイスケさんの好きなコカトリスのシチューですよ!」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加