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7 ポテチ売ろう!
その日、相変わらずじゃがいもは豊作で、村の人たちにも結構お裾分けしたし、今日はじゃがいもをアレンジして売ることにした。
「え、じゃがいもを売る?」
「そうそう、そろそろお金稼がないとだろ?
だからさ。」
「でも、大量にじゃがいもを村の人たちに配った後ですし…
買ってくれる人いるのかな…?」
シャロンが心配そうに言う。
「そ・れ・が!
良い方法があるんだなぁ!」
俺は自信満々に言う。
「えーと、どんな方法なんですか?」
「まずは、オリーブ油を買おう。」
「???
はぁ…」
俺たちは残りのお金で高価であるオリーブ油を買った。
「エイスケさん、オリーブ油で何をするんですか?」
「うん、ちょっとね。
あ、シャロン、かまどの火を強火で付けてくれない?」
「え、あ、はい。」
シャロンは火魔法でかまどに火をつける。
「そしたら、このフライパンにオリーブ油をたっぷりと入れる。」
「えぇー!
そんなに入れたら勿体無いですよ!
高いのにぃ!」
「良いから良いから!」
俺はオリーブ油をドバッと入れた。
「ここに薄切りしたじゃがいもを水気を取ってさっと揚げる。
仕上げに塩を振りかけて…!
【じゃがいもポテチ】の完成だ!」
俺は言う。
「えーと、じゃがいもを油で揚げたもの…ですか…?」
「食べてみなよ!
美味しいから!」
俺はじゃがいもポテチを勧める。
シャロンはパリッとじゃがいもポテチを食べた。
「何これ…!?
塩気と油が染み込んでて、パリッとしてて美味しい!!!」
「だろー?
まぁ、簡単なんだけどね、作り方は。」
俺はじゃがいもポテチを揚げ続けながら言う。
そして、ボロ布切れに、『じゃがいもポテチ販売』と書いて売り出した。
じゃがいもをもらった村の人たちが結構集まってくれて、じゃがいもポテチはあっという間に完売した。
「サクサク!」
「いや、パリパリだ!」
「油で美味しい~!」
「塩気がたまんないわぁ!」
そんな声が飛び交い、じゃがいもポテチは大人気商品となった。
売り上げは2000ゴールドにもなった。
それから、しばらくはじゃがいもを育てて、じゃがいもポテチを売るというルーティンが続いた。
その内、村の人たちから、自分の畑も耕してくれ、という依頼があり、俺は予約順に村の人たちの畑を回る事にした。
シャロンはじゃがいもポテチのコツを掴んだので、1人で売ったり、帰ったら夕飯を作ってくれている。
順風満帆。
そう思われた。
しかし…
「じゃ、シャロン、今日はミークさん家の畑に行ってくるよ。」
「いってらっしゃい。
今日はエイスケさんの好きなコカトリスのシチューですよ!」
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