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8 ガルドさんの妨害
シャロンがそう言ってにこやかに俺を送り出してくれる。
俺は張り切ってミークさん宅に向かった。
ミークさんの家の玄関を叩くと、ミークさんが玄関を半分だけ開けこう言った。
「悪いね、エイスケさん。
今日はちょっと用事があるから…
他の人の畑を先にしてもらっていいから…」
「はぁ…
そうですか。
わかりました!
では、失礼します。」
こんな事もあるものか、と、次の予約表のサリスさん宅に向かった。
「サリスさーん!
エイスケです!」
俺は玄関でそう叫んだ。
「あぁ…
そっか、予約表ね…
でも、悪いけどもういいのよ。」
「え?
もう良いって?」
「と、とにかく私のところは良いから!」
そして、玄関の扉を閉められた。
な、な、なんなんだ…!?
急に、みんな…
一体どう言う事なんだろう???
その後も数件の家を回ったが、答えは全てノーだった。
俺はシャロン宅に戻ろうとした。
すると…
ガルドさんと遭遇した。
「はっはっはっ!
エイスケとか言う奴!
困ってるみたいだな!
みんななぁ、お前の生ゴミ畑なんて、臭くて嫌なんだよ!!!」
ガルドさんは言う。
「…何をしたんですか?」
「ふん!
知らんわ!」
そう言ってガルドさんは帰って行ったが、俺はガルドさんが何かしたんだと確信した。
「おかえりなさい…」
シャロンが少し気まずそうに俺を迎えた。
「シャロン…
ガルドさんが何かしたみたいなんだ。
何か知らないか?」
「それが…
ガルドさんは、この先の大きな街から、土魔導士を引き連れてきたらしいんです…
だから、畑を肥やすのなんて土魔導士にかかれば朝飯前で…」
シャロンは言いにくそうにそう言った。
「それでか…!」
「どうしますか、エイスケさん?
このままじゃ…」
「ふん、こっちにだって策はあるさ。
畑だけが全てでは無いからね。」
俺はかなり強がってそう言った。
正直、土魔導士相手では俺の臭いコンポスト法は負けるだろう。
だけど、このまま終わる訳にはいかない…!
次の日、俺はシャロンにじゃがいもポテチの売り上げをもらって、肉屋に向かった。
ちょうどコカトリスのモモ肉が入っていた。
それを2キロと小麦粉を買い、シャロン宅に戻った。
「あら?
コカトリスの肉ですね。
好物だから買ったんですか?
それにしては多いような…」
「違うよ。
もちろん俺たちが食べる分もあるけどね。
これから、ある物を作るんだ。」
「ある物…???」
「まぁ、見ててよ。
オリーブ油はあったよね?」
「えぇ、沢山ありますよ。」
俺はコカトリスのモモ肉を二口大くらいに切り、それに塩と小麦粉をまぶした。
そして、オリーブ油で揚げたのだ。
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