大人になれたと気づけた日

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　この町で大人経験がないからと言って、高校生以下として扱ってもらえるわけではない。
　あーみんたちはみんな社会人として働いている。
　同い年である私も何もせず実家に籠っているわけにはいかない。まずはということで求人サイトに登録をしてみた。それだけでいきなりうまくいくはずもないので近所のスーパーでバイトをすることにした。

　ウチから車で10分ぐらいの距離にあるそれほど大きくはないスーパーだ（ただし駐車場の停められる台数は東京近辺より、ものすごく多い）。

　私は朝早く出勤して商品を並べたり、ポップを飾ったりとお店の準備をするところから、開店後のレジ打ちをやったりしている。東京でもコンビニをやったりしていたことがあったので、商品陳列やレジはそれなりにこなすことができた。

「マイカちゃんみたいな子が入ってくれて助かるわぁ。背も高いから高いところも届くし」

　パートで働いている溝口さんにも気に入られたらしく、私は割といろんなことを任せてもらうことができた。
　主婦のみなさんと話しながら、とりあえずの居場所はできたなぁと私は胸を撫でおろした。時給は東京よりちょっと安い気がするけれど。