告白

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告白

 遅すぎも、早すぎもしていないと思う。  ちょうど良かったからこそ、この反応なのだ。  ――僕は今日、幼馴染のホノカに「付き合ってほしい」と告げた。高校生になった今でも、毎日のように一緒にいる。どちらか一方が好意を抱いていたとしても何ら不思議ではない。 「……嬉しいんだけど、自信がないなあ」 「自信って?」 「今更、恋人みたいになる自信」  本音だなと思った。そもそもホノカは嘘をつかない。それでも社交辞令程度なら挟むことはあるけれど、これは本当の本当に素直な反応だ。一番近くで見てきた僕がそう感じるのだから確かだろう。 「考えさせて」  ホノカの言葉に、僕は思わず天を仰いだ。 「90パーセントくらい、フラれるパターンだ」 「いや何の統計? フるならさっさとフるけど」 「でも……それこそ、好きならさっさと答えるでしょ」 「わかってないねえ、カイトは」  ホノカは呆れたようにそう発した。
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